うさぎ組

ソフトウェア開発、チームによる製品開発、アジャイル、ソフトウェアテスト

#RSGT2020「チームの再定義 -進化論とアジャイル」 セッションを3倍楽しむ

1/8から開催されるRegional Scrum Gathering Tokyo(RSGT) 2020。年に1度の日本最大級のScrumのカンファレンスです。 このイベント内の1/9 13:00 から「チームの再定義 -進化論とアジャイル-」というセッションを3倍楽しむ情報をまとめておつたえします!

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020 - チームの再定義 -進化論とアジャイル- | ConfEngine - Conference Platform

前作まで

この作品はRSGT2016から続く一連の最新作になります。

  • 2016 : Scrum, Test , Metrics
  • 2017 : スクラムありがとう, そしてさようなら -Scrum 破-
  • 2018 : スクラムが難しいのは幻想 -情熱の再定義-
  • 2019 : 超Scrum入門
  • 2020 : チームの再定義 -進化論とアジャイル-

2016「Scrum, Test , Metrics」

基盤チームというチームがScrumに取り組みはじめたところから話はスタートしました。常にテストをし、6min単位での予定、実績工数のメトリクスをとり、自分達の感覚によるメトリクスの重要性の話をしました。

www.slideshare.net

2017「スクラムありがとう, そしてさようなら -Scrum 破-」

Scrumのスプリントレビューは全員がおなじものをデモしたり、POやSMというロールはDailyにクジできめたり、スプリント期間を1日スプリントにしたりとスクラムのルールや慣習を変えていく話をしました。ここから超個体(複数の生命体が1つの生命体かのようにふるまう集団)をめざしはじめました。

2018「スクラムが難しいのは幻想 -情熱の再定義-」

スプリント期間を1時間スプリントにしたり、タイマーによる時間管理をしたり、スクラムイベントをできるだけプロトコル化したり、DailyでValueStreamMappingをしたりとできるだけ仕組み化していく話をしました。ここから超個体や自然の仕組み、攻殻機動隊を次の目標にすえはじめています。

2019「超Scrum入門」

スプリント期間を15分スプリントにしたり、複数のスプリント期間をあつかってフラクタル構造にしたり、Krebs Cycle for Creativityをとりいれたり、ARTとしてのKPTで壁をKPTだらけにしたりとより人間や生物や化学の根源的なところに着目していく話をしました。ここからScrumの3本柱といったものとは別のものを見るようになってきました。

2020 本作「チームの再定義 -進化論とアジャイル-」

生物や化学の根源にあるフラクタル構造という安定した性質を土台にすえながら、スプリント期間以外にもフラクタル構造にしていくことや、超個体の性質である頻繁な正のフィードループとゆるい負のフィードバックループを仕組み化することなどを目標にして2019年を過ごしたチームの話です。

1つのチームが複数のプロジェクトに分裂したとき、そのチームはどうひきつがれるのでしょうか。おなじものにはならないし、それなりの成熟をするには時間がかかる。だから、チームはできるだけ解散してはならない。果たして本当にそうでしょうか?

私達のチームメンバーは複数のプロジェクトにわかれ、PBLもPOもまったく異なるようになりました。それでも1つのチームとして存在する方法を模索しました。その過程で、複数チーム、複数プロジェクトにおける15minスプリントを基盤とするフラクタルスプリント、組織横断な知識交換、プロジェクトに依存しないチームとしての存在意義を見出してきました。私達のチームは解散したようにみえましたが、実際には解散していなかったのです。フラクタルスプリントによってフラクタルチームは成されました。

異なるミッションをもっていても、組織としては軍隊アリやバッファローのような超個体をめざす1つのチームとして機能をするようにまでなりました。プロジェクトのためだけにチームがあるのではありません。わたしたちがいるからチームなのであるという視点をつきつめていき、それは個人や組織の成長にもつながっていく姿をお話します。

そしてこれらを支える理論として進化心理学ダーウィンの進化論などの学術的な視座からアジャイル開発を話します。なぜ人間はチームをつくるのか。

進化論

ダーウィンの進化論のことですが、この10年ほどで進化心理学という学問が注目をあびています。それ以外にも文化人類学などもまた盛り上がってきています。 アジャイルやチーム開発というものを進化で獲得した形質と照らしあわせて話します。人間の欲や振舞いというのが進化で獲得した形質だとしたら?

参考文献は次になります。

進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観 (フェニックスシリーズ)

進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観 (フェニックスシリーズ)

  • 作者:アラン・S・ミラー
  • 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
  • 発売日: 2019/01/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

攻殻機動隊

攻殻機動隊というのはSF刑事作品というジャンルですが、作者の先見性や洞察力が感じられる作品として人気をえています。 このなかで攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEXというシリーズ名でアニメ作品があり、「チームプレーなどという言い訳はない。あるのは、スタンドプレーの結果生じるチームワークだけだ。」というセリフが有名です。 2018の「スクラムが難しいのは幻想 -情熱の再定義-」ではこのセリフを引用しています。 チームにおいてこの攻殻機動隊全体を通じたメッセージというのは非常に参考になる点がおおく、本作「チームの再定義 -進化論とアジャイル-」でもいくつかリンクする部分がでてきます。

www.netflix.com

www.production-ig.co.jp

最後に

前作までの流れ、進化論、攻殻機動隊の3つをおさえておけば「チームの再定義 -進化論とアジャイル-」をもっと楽しめます。 お茶の水ソラシティ 1/9 13:00 テラス会場でおまちしております。