週刊ソフトウェアテスト 2014-52 #swtest_jp
前書き
ソフトウェアテストにまつわるニュースを週毎にお届けする記事です。内容はid:kyon_mmの独断と偏見です。オススメの記事があるときや、質問などなどはコメントや@kyon_mmにご連絡くださるとうれしいです。 ハッシュタグ #swtest_jp でソフトウェアテストに関する事をツイートしてくださるととてもうれしいです!(なにかの紹介でも、議論でも、質問でも!
続きを読む2014年に読んだ技術系の論文で良かったもの(大体ソフトウェアテスト) #swtest_jp
概要
2014年に読んだ技術書で良かったもの - うさぎ組にて、「どんな論文読んでいたのですか?」と聞かれたので、今年読んだ良かった論文を紹介します。下記で紹介していないですが、ICSEの論文はオープンなものが多いので出来るだけ読むようにしています。
テストを評価する
-
- テストオラクル自体のカバー率を計測するというChecked Coverageという基準を新しくつくっていました。ミューテーションテストやデシジョンカバレッジに次ぐ新しいやつってかんじですね。
-
- ミューテーションテストによって変更された部分がプロダクトの意味を変更しないようなものである場合の影響についての調査です。なるほどなーって思いながら、JavaLanche開発再開してくれないかなって常々思います。。。
Practical JFSL verification using TACO - Publications - Software Engineering Chair (Prof. Zeller)
テスト戦略
テストツール、アルゴリズム
HTAF: Hybrid Testing Automation Framework to Leverage Local and Global Computing Resources
Network bucket testing | Publications | Research at Facebook | Facebook
- SNSのようなソーシャルネットワークにおけるA/Bテストのアルゴリズムを作ったという感じです。A/Bテストは実践したことがないのですが、SNSだと確かに複雑そうだなーとか思いながら、こういった解決をもってくるのすごいとか思いました。
The Goals and Challenges of Click Fraud Penetration Testing Systems
- クリック広告に関するテストシステムの紹介です。Googleらしいなーって思いながら、巨大企業だとこういうのが収益に響くしなぁと思いながら読みました。
設計
-
- HTMLはそろそろVirtual DOMになるのかもしれませんが、こうやって整理していって始めるの大切だよなーとか思いながら、読んでいます。こういうのが集まらないと、初心者が汚いプロダクトを量産し続けることになる。。。
表示的意味論に基づくパターンマッチング コンパイル方式の構築と実装
- パターンマッチって
まとめ
Java界隈いいな。
2014年に読んだ技術書で良かったもの
概要
新刊にかぎらず、今年読んでいて「あー、良書だなー」って思ったものをあげています。これ、ダメじゃないの?とか、あー、やっぱりこれいいよねっていうコメントもらえると嬉しいです。
基本は、.NETにおけるWeb APIやFW開発でQA * POな人が思う良書です。今年は技術書より論文、言語仕様書、実装を読んでいることが多かったので、去年の半分の30冊くらいしか読んでいないかな。
開発チーム系
- 作者: Kenneth S. Rubin
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/08/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- スクラムなんとなくわかっているんですけど、自分以外の状況よくわからんしなー、進め方変じゃないかなぁっていうときに、読むとめっちゃ参考になります。
- 作者: James O. Coplien,Neil B. Harriosn
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- これは多分ずっと良書だと言い続けるのだと思う。開発者必携。これが3年か5年ごとくらいにアップデートされるといいのかもしれませんね。
Cloud Service系
プロフェッショナルのための 実践Heroku入門 プラットフォーム・クラウドを活用したアプリケーション開発と運用 (書籍)
- 作者: 相澤歩,arton,鳥井雪,織田敬子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/09/19
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- Herokuとかよくわからなかったんですけど、ここまで丁寧で体系的入門が書かれていると便利なことこの上ないですね。薄いしよい。
Web系
- 作者: 水野貴明
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- Web API開発者必携です。簡単な感想はこちらに書きました。→ Web API The Good PartsはWeb API開発必携の書籍でした。 #apijp - うさぎ組
ハイパフォーマンス ブラウザネットワーキング ―ネットワークアプリケーションのためのパフォーマンス最適化
- 作者: Ilya Grigorik,和田祐一郎,株式会社プログラミングシステム社
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/05/16
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- Webアプリケーション開発というか、フルスタックエンジニアならここを抑えておかないとダメっすよね。っていう感じですかね。パフォーマンステストにも必須の知識になると思います。重要。
テスト系
Exploratory Software Testing: Tips, Tricks, Tours, and Techniques to Guide Test Design
- 作者: James A. Whittaker
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2009/08/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 探索的テストの書籍はいくつかあるのですが、探索的テストに関する書籍では今年はこれを一番読んだ気がします。まぁ、入門的でよいですね。翻訳されないかなー。
医療機器ソフトウェア?検証,妥当性確認,およびコンプライアンス: 医療用ソフトウェア開発では避けて通れない「バリデーション」の本質を理解し,FDA規制をクリアするために iMAtecアーカイブ
- 作者: デビッド・ボーゲル
- 出版社/メーカー: 株式会社エスアイビー・アクセス
- 発売日: 2014/05/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- テスト全般という意味では、今年はこの書籍を読む時間が最も長かったです。テストの深い話を読める数少ない書籍だと思います。
ソフトウェア品質知識体系ガイド -SQuBOK Guide-(第2版)
- 作者: SQuBOK策定部会
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2014/11/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 文句言いたくなるSQuBOKですが、改版されて前よりも範囲が広くなっていました。うーんってなるところはあるけれど、著名な言葉や概念をかなり網羅してのっけているので、調べやすくてたすかりますね。
- 作者: Cem Kaner,Hung Quoc Nguyen,Jack Falk,テスト技術者交流会
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2001/11/25
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 151回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
- 入門的によいなーっと何度か読み返していました。ページ数があるので、初心者が独学するのは難しいのかもしれませんが、バランスとれていると思いました。
More Agile Testing: Learning Journeys for the Whole Team (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))
- 作者: Janet Gregory,Lisa Crispin
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2014/10/16
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
ツール系
Gradle徹底入門 次世代ビルドツールによる自動化基盤の構築
- 作者: 綿引琢磨,須江信洋,林政利,今井勝信
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/11/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- レビュアーとして参加しました。久しぶりに「これはツール系なのに、日本語書籍が最高な例の1つだ!」って思いました。素晴らしい。Gradleを使うなら必携。
フレームワークとかアプリケーションの設計
APIデザインの極意 Java/NetBeansアーキテクト探究ノート
- 作者: Jaroslav Tulach,柴田芳樹
- 出版社/メーカー: インプレスジャパン
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- この書籍がもっと前に出ていたら。。。って思うくらいには良書でした。自分が仕事でフレームワークとか開発しているので、とてもよかったです。今後の開発にはガンガン活かしていけそう。(普通のアプリケーション開発でも使える概念です。)
エンタープライズ アプリケーションアーキテクチャパターン (Object Oriented Selection)
- 作者: マーチン・ファウラー,長瀬嘉秀,株式会社テクノロジックアート
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2005/04/21
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 635回
- この商品を含むブログ (142件) を見る
- これは毎年読み返しているのですが、忘れてしまっている部分もたまにあるので。で、これを読み返すと、SQLAlchemyすごいなって思いますね。(Entity Frameworkどうした!!)
.NET系
- 作者: Sasha Goldshtein,Dima Zurbalev,Ido Flatow
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/11/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 今年はこの書籍にめっちゃお世話になりました。来年もお世話になること間違いないです。
プログラミング.NET FRAMEWORK 第3版 (Microsoft Press)
- 作者: Jeffrey Richter,藤原雄介
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/02/03
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 500回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
- .NET 4.0の強い味方です。そろそろ4.5.xもガッツリ勉強しないとなーと思いつつ。
BDD, 要求分析, 要件定義
IMPACT MAPPING インパクトのあるソフトウェアを作る
- 作者: Gojko Adzic,ゴイコ・アジッチ,平鍋健児,上馬里美
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (6件) を見る
- あまりにも抽象的すぎる文化の話とかが面倒な人はまずここから始めるといいかと思います。アジッチは良書を量産していてすごい人ですね。
Specification by Example: How Successful Teams Deliver the Right Software
- 作者: Gojko Adzic
- 出版社/メーカー: Manning Pubns Co
- 発売日: 2011/06/28
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 4回
- この商品を含むブログを見る
- 今年はSpecFlowというか、Scenario記述に果敢に挑戦したのでなんども読み返しました。うん。自動テストを書く人とか仕様を固める人が共通言語として覚えるのは簡易でいいと思う。(別に他の手段でもいいけど。)
BDD in Action: Behavior-Driven Development for the Whole Software Lifecycle
- 作者: John Ferguson Smart
- 出版社/メーカー: Manning Pubns Co
- 発売日: 2014/10/12
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- BDDで最高の書籍と言っても過言ではないくらい。かもしれぬ。なんというか、Specification By Exampleのあとに読むとめっちゃいい。これを読まない(該当するスキルなし)でBDDしていると言われると、ちょっとモグリな感じがする。(個人的見解
- 作者: Ola Ellnestam,Daniel Brolund
- 出版社/メーカー: Manning Pubns Co
- 発売日: 2014/03/17
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
- 2日くらいで終わりそうなプログラミングなどのソフトウェア開発活動を「正しく進める方法論」っていう感じでしょうか。個人的にはスプリント期間中の開発は原則これですすめたらいいと思う。
ソフトウェア開発全般
ソフトウェアエンジニアリング基礎知識体系 ―SWEBOK V3.0―
- 作者: 松本吉弘
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- SWEBOK V3の日本語版がでていました!洋書は無料なので読んでいたのですが、日本語でも読みたいので買いました。リファレンスがたくさんのっていて、情報の海が広がっている感がよいですね。
並列、並行処理
並行システムの検証と実装: 形式手法CSPに基づく高信頼並行システム開発入門 (トップエスイーシリーズ 実践講座)
- 作者: 磯部祥尚,東野輝夫
- 出版社/メーカー: 近代科学社
- 発売日: 2012/12/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- CSP楽しいですね。検証された仕様をプログラミングするというのは非常に安心感があります。あと、こういうのをやると検証されていないから何をテストしたらいいのかっていうのがたくさんこなしているとなんとなくわかってくる。
The Art of Multiprocessor Programming 並行プログラミングの原理から実践まで
- 作者: Maurice Herlihy,Nir Shavit,株式会社クイープ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
- 並行プログラミングの基礎をおさえてくれていて、わかりやすいです。.NETがOSSになったら該当するコードがどうなっているのか実装を読むのが楽しみです。
- 作者: Fred Hebert
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2014/08/11
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
週刊ソフトウェアテスト 2014-51 #swtest_jp
前書き
ソフトウェアテストにまつわるニュースを週毎にお届けする記事です。内容はid:kyon_mmの独断と偏見です。オススメの記事があるときや、質問などなどはコメントや@kyon_mmにご連絡くださるとうれしいです。 ハッシュタグ #swtest_jp でソフトウェアテストに関する事をツイートしてくださるととてもうれしいです!(なにかの紹介でも、議論でも、質問でも!
続きを読むアジャイルでもWFでも共通する「開発やテストのモデル」-全てのソフトウェアテストを再定義する- #SWTestAdvent
はじめに
これはソフトウェアテストあどべんとかれんだー 2014 の17日目の記事です。
id:a-suenamiがテストとは開発プロセスそのものである #SWTestAdvent - assertInstanceOf('Engineer', $a_suenami)で僕が考えているモデルについて紹介してくれていたので、ざっくりとですが僕の方から「現状の僕が捉えているソフトウェア開発。そしてテスト。」について紹介します。これはここ数年における僕の最高傑作とも言えるコンテンツに関するエントリです。(言いすぎだ
概要
言い過ぎればプロダクト開発というものは「Define, Build, Explore, Measure」という活動から成立していると言えます。これに知識や手法やプロセスをあてはめると「何をやるべきか」「何が足りていないか」がわかりやすくなります。この記事ではそういった開発やテストを話すときのベースとなるモデルを提案しています。
これに名前をつけてからになるけれど、これに関して講演や書籍執筆など、どんどんアウトプットできたらなーって思っています。ご興味ある方はご連絡いただければ嬉しいです。
kyon.mm at gmail.comまで。
続きを読むWebアプリケーションのパフォーマンステストを勉強する方法 #SWTestAdvent
はじめに
これはソフトウェアテストあどべんとかれんだー 2014 の14日目の記事です。
明日は id:kokotatata さんです。
概要
パフォーマンステストを入門するための情報を紹介します。発端は@ryushi さんが次の記事でなにやら不思議な言及をされていたというところです。
正直に申し上げて負荷テストって恐ろしく難しい種類のテストなんですけども、特にその難しさについては書いていませんので、きっと名古屋辺りのうさぎさんが補足資料を提示してくれるでしょう。よろしくお願いします。
注意
ここにあるのはkyon_mmの私見です。なので、「なに、こいつ大げさだな。。。」とか思ったらコメントで「それはお前が勉強不足だからで、世のエンジニアの感覚と違います」とか書いてください。温度感重要です。
続きを読む週刊ソフトウェアテスト 2014-50 #swtest_jp
前書き
ソフトウェアテストにまつわるニュースを週毎にお届けする記事です。内容はid:kyon_mmの独断と偏見です。オススメの記事があるときや、質問などなどはコメントや@kyon_mmにご連絡くださるとうれしいです。
ハッシュタグ #swtest_jp でソフトウェアテストに関する事をツイートしてくださるととてもうれしいです!(なにかの紹介でも、議論でも、質問でも!
kyon_mmの意見
id:pocketberserker, id:bleis-tiftなど弊社メンバーが中心に開発をすすめているF# のテスティングフレームワークにおいて「複数assertの結果を持つ(失敗しても次のassertを実行する)」という機能はすばらしいですね。ちなみにこのアイディア自体はAssertJにて「Soft Assert」という概念で実装されたのがテスティングフレームワークやライブラリとしては初めてだという認識です。AssertJの実装は結構アレなのですが、彼らの場合はよりスマートですね。テストのためにASTやコンパイラ技術や型システムは重要な位置を示しています。SpockもAST技術の権化みたいなところありますからね。
MSDNマガジンで「非同期プログラミングの単体テスト」の方法について解説されていました。なかなかこういった記事がまとまっていることはないので、とてもうれしいですね。重要なのは、こういったコードをレビューできる人間でないと、統合テスト以上で「非同期に対する十分なテストを設計できる」と言えないといったことではないでしょうか。もしくは「統合テストでは無理だから、単体テストでこのような設計をすべきだ」とするところですね。 これが「テストによる設計の変更」と言えるでしょう。
また、先週は「ソフトウェアテストの初級者向け合宿イベント」であるWACATEが開催されていました。本記事でもいくつかスライドを紹介させていただきました。半年に一度なので、次は来年の夏ですね。
続きを読む